沖縄県 国頭郡 宜野座村 漢那区の農村景観ワークショップ



漢那ビーチと周辺集落



沖縄県国頭郡宜野座村は沖縄本島の中間部に位置する基礎自治体であるが、現在「景観法」に基づく「景観計画」の策定に取り組むとともに、農水産業の経営改善政策をはじめ、雇用機会の創出に努めています。

宜野座村内にある漢那区の問題としては、海岸部ではマンション、ホテルの建設等の乱開発によって景観破壊が懸念され、また、内陸部では休耕地の放置等による農村景観の悪化が挙げられています。また、補助金による公共事業が活発に行われているが、これにより観光資源としての景観が破壊されつつあることが現状です。観光資源としての農村環境・景観の維持は、行政を中心にこれまで様々な計画が策定されてきたが、今後は、住民自体による自発的な活動として、問題のある箇所を具体的に修復していくアクションプランが求められており、それを継続し実行する担い手の育成と活動母体が求められています。

当団体は、住民の合意形成によるアクションプラン策定とその「呼び水」としての体験学習によるまちづくり支援作業を、これまで漢那地区以外でも試みており、地域住民や若者の意識啓発、地域の活性化に貢献してきました。また、地元の漢那地区では、今後の活動母体として地元の有志により、NPO法人「漢那かたらびや(仮称)」を設立する予定です。 

■活動概要  

■景観ワークショップ
学生のグループ作業によりアクションプランを作成しました。現地の調査やディスカッションなどを行い、地区の改善点やCGシミュレーションをまとめました。アクションプランを住民に発表し、意見交換を行いました。
  


■農村景観保全活動
アクションプランを住民の前で発表し、意見交換を行い、その中の議論や敷地選定作業の中から実現可能性の高い沿道の植栽整備を選定しました。植栽の除草作業は生物の生態系や自然環境を考慮して行いました。農村景観を保全することを自ら実践することで景観の意識を高めることを狙って行いました。同時に地域の担い手育成の観点から、地域の子供たちも作業に参加してもらい、住民と学生と協働作業を行いました。
  


  


■景観シンポジウム

アクションプラン及び農村景観保全活動の報告と住民を交えたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、地元建築家、住民をパネリストとし、大学教授がコーディネータを行いました。議論の内容としては、今後のまちづくりの方向性やどのように景観を保全していくか、について意見交換が行われました。